男4人で鍋をつついていると、悪友の一人がふと俺に尋ねてきた。
「そういやお前、前に言ってた子とその後どうなったんだ?」
「……チカの事?」
チカとは大学の同級生で講義のチームがキッカケで仲良くなった子だ。
「…別に。どうもなってないよ。」
「なぁんだ、2人で遊びに行ってるって聞いてたから付き合ってるって思ってたよ~!」
「今でもたまには遊びに行くけどな。」
「何で付き合わないんだよ、いい感じなんだろ?」
もう一人の悪友が割って入ってくる。
「だからそんなんじゃ無いんだって。友達だよ、ト・モ・ダ・チ。」
確かにチカとは一緒にいてて楽しいし、友達以上の存在ではある。
だけど付き合うまでの思いには…至って無い…かな。
ふと、水曜日に現れる彼女の顔が浮かんだ。
悪友2人は付き合えと、はやしたてている。
最後に今まで黙っていたアキラが口を開いた。
「その気が無いなら思わせぶりな行動はするなよ。…向こうはどうか分からないからな。」
胸にチクリと刺さった。
見透かされてる気がして頷く事しか出来なかった。