日屶は鼻の頭を掻いてつまらなそうに言った。

「あ、えっと…」

私が言葉につまってると日屶は乱暴に手をつかんでひっぱった。

「つーか俺が心配だから連れて帰る。」

黙ったままの私を引きずりながら日屶は前を歩く。

「…誰待ってたの?」

不機嫌そうに日屶がつぶやいた。

「……日屶。」

「は?俺?」

黙ったままでいる私の顔を日屶が覗き込んできた。

「わ、私!日屶のこと嫌いじゃない!!大好きだよ!!」

恥ずかしくて手に持っていたチョコを日屶に押しつけた。

「…ぷっ。
アッハハハ!」

日屶は突然笑いだして私の頭を撫でた。

「この間の。気にしてたのか!
かわいーやつ」

「うっる…さい!」

しばらく私のことをバカにしたように日屶は笑う。

「まさかあの時と同じ告白をしてくるとはね…
俺もおまえのこと嫌いじゃない。大好きだよ…」

日屶はそっとキスをしてまた笑う。

「でもやっぱおまえバカ!」

「アンタのほうがバカでしょ!」

「はぁー?」

「もうっサイテー!!」

私は怒って先に帰る。

またいつもみたいにケンカが始まっちゃった…

私が落ち込んだのは言うまでもないよね?