あれは一人の男子が言った一言が始まりだった。

『おまえら昨日夜一緒にいただろー?』

『マジでっ!?見せ付けてくれんなー』

バカ笑いする男子たち。

『別にそーゆーんじゃない!』

私が言い返しても男子たちは聞く耳を持たない。

むしろもっと茶化される。

そんな時に日屶が来て冷たくて地の底から響くような声で言い放った。

『昨日はコイツの母ちゃんに買い物付き合うよう頼まれただけだ』

あまりの迫力に男子たちは黙り込んだ。

『まぁ結芽は俺のことなんか嫌いだし
俺とコイツはそんなカンケーじゃねーから茶化さないでくんない?』

日屶が私を守ろうと言った言葉に私の胸が痛んだ。

“俺のことなんか嫌いだし”

違う。
違うよ…

私は気が付いたら立ち上がって言っていた。

『私は日屶嫌いじゃない!!
大好きだよ!!』

その言葉がきっかけで私たちは付き合うことになった。

日屶はびっくりしてたし、まわりにも騒がれたけど後悔はしていない。

なのに…
私は素直じゃなくてケンカが耐えない毎日。

「せっかくの記念日なのになー…」

「まー“ダイッキライ!!”って言っちゃったもんねー…
あ、そうだ!!バレンタインがあるじゃん!!」

「バレンタインー?」