「どうしよ…俺…まさか本当に……」
さっきからずっとこれの繰り返しで、よく分からないことをぶつぶつ言い出してしまった。
それも何話しかけても無駄って感じで。
そんな変質者を前に落ち着いてる私もおかしいなあって思うんだけど、…百歩譲って悪い人には見えないということで、放っておくことにした。
それにしても本当にどこから入り込んだんだろう?
クロが窓開けて出て行ったとこから入り込んできたとか…?
…ありえなくも無い…というかそれ以外考えられない……。
しばらくすると、思い出したかのように、慌てて何かを探し出した。
「なに!?次は一体何をするつもり!?」
「か、紙!亜子、どっかに紙、落ちてない!?」
あまりの焦り様がこちらにまで伝わってきて、よくわからないままに紙を探した。
まぁ、あっさりとベッドの隅に置いてあるのが見つかったんだけど。
その紙…というか冊子のようなものを抱えて、また来るから!と宣言して慌しく部屋を出て行った。
また来なくていいから!と言ったけど、おそらくあいつの耳にはもう届いてないだろうなと思った。
