「あのぉ…!!」
亜子のなんだか困った声が聞こえる。
いつもとはなんだか違うような、少しよそよそしい迷惑そうな声。
今日はそんな声で目が覚めた。
窓からの光を眩しく鬱陶しく感じながら、それでもまだ寝ていたくて、あったかい亜子を引き寄せた。
……?
あれ。なんだ?なんかおかしい気が…。
「ちょっと、なにすんの!!!?」
ドンって、ベッドから体を落とされた。
いつも通り亜子に擦り寄って、ほっぺにキスしただけなのに。
「…ってぇ。亜子、いきなり何すんの。何で怒ってんの?」
床に手をつきながらそう言った俺の顔を見て、信じられないとでも言うように亜子の顔が引きつった。
…手?
「…っその質問の前に、あなたは何でここにいるの!?ってゆうか誰!?!?」
怒ったような、少しおびえた様な瞳を見せる亜子を余所目に鏡に近寄った。
