「よ…ぅ?」


「…っかえる!!!」



ギシッとベッドから勢いよく起き上がったヨウの急なご帰宅宣言にビックリして、肩を両手で掴み立ち上がらせないようにギュッと押し付けた。


「帰るってなんで?どうしたのヨウ、何かあったの…?私が帰るの遅かったのが原因?」


「ちがぅ……っ合ってるけど、違うっ…!!」


「ど、どういうこと…?」


「…っ。なんで遅くなったの?アイツといるのがそんなに楽しかった?
パスタ食べた後、何してたっ!?」


「ご、ごめんね。そういうわけじゃなくて、映画誘われちゃって…」

「本当に映画だけ?そうだといえるの?」


「映画だけだよ?どうしても断れなくて…」






「…断れなくて、キスした?」






「……ぇっ?」


「俺は亜子に会いたくて、抱きしめたくて仕方なかったけど亜子はそうじゃなかった?
断れないと、何でも誰とでもしちゃうんだ?」



「ちがっ…わたしも、ヨウと会いたかったっ…!
本当にアレは不意討ちで…っ。……って、…ヨウついて来てたの!?!?」



とんでもない所謂修羅場な雰囲気に似つかわしくない声を上げた私はヨウの冷たい視線にそのまま口を閉じた。



「こっち来て。」



言われるがままにヨウについて行く。