「んっ…」


深く交わす口づけに自然と涙が滲む。


「…っ…ヨウ…」


そう洩らすと熱い瞳と視線が絡む。
なおも私の口内を楽しむように舌を這わせながら。


「はぁ、…俺は亜子が嫌がってるんだと思ったから、必死で落ち着かせて帰ろうと思ってたのに。
煽ったのは亜子だからね?」



キョトンとしてる間に急な浮遊感。


「ちょっと、ヨウ…っ」



それはまさにお姫様抱っこの形で、そうも遠くないベッドへと顔にキスを繰り返されながら運ばれた。


「よ、ヨウ?」


「なに?」


ベッドに押し倒されながらも、ヨウの顔があんまりにも優しく笑ってるから今から起きるであろうことと繋がらない。
大抵そういう時のヨウは、意地悪く笑ってたりするからだ。



「ぇっと…眠いの…?」


寝る?と聞くと、呆れた顔が返って来る。



「本当に俺が今からここで亜子と並んで寝ようとか思ってると思ったわけ!?」



「ぃやー…、どうだろ…」



あはは、という笑いはヨウの口づけに持って行かれた。
またもや熱っぽい瞳で見つめられる。


「亜子、いい?」


少し掠れた声でそう呟いたヨウは、とても色っぽかった。