結局あの日から一週間、ヨウと顔を合わせていない。
風邪はすっかり治ったけど胸の疼きが消えない。
よく考えたら、私はヨウの連絡先を一切知らなかった。
そのためヨウに会いたくてもどうすることも出来ず、ただただ待ち続けていた。
そうして今日は会えるだろうか、と大学を出た所にヨウが立っていた。
「…亜子、久しぶり…っ!」
「ヨウ…」
一週間と言えど、前は毎日のように会っていたから本当に久しぶりのように感じた。
「風邪はもう大丈夫?ごめんね、なかなか会いに行けなくって…」
ずっとどこ行ってたの?
シオって子のところ?
熱にうなされながらも、ずっとヨウのこと待ってたんだよ?
もっと早く来て欲しかったよヨウ。
会いたかったよヨウ。
喉まで出かかった言葉はどれも言葉にはならなかった。
ただ、涙が溢れて来てどうしようもなくて、ヨウも驚いた顔して何か分からないままに私を宥めてた。
頭に触れた手を温かいと感じつつも、その手であの子のことも慰めてたの?と、可愛くもなんともないことを考えた。
涙が止まらなかった。
