そのまま数秒見つめ続けた後、亜子の体が少し動いて二人の距離を0に変えた。


「…恥ずかしぃ…」



すぐに離れてまた俯く亜子を恨めしく睨む。


(ほっぺって…)



「あーこ?ちょっと違うと思うんだけど?」


「やっ」


首に触れて此方を向かせようとしたが、亜子は下を向いたまま頭を振った。
そのまま少しして、こてんと身を寄せて来たのがあまりにも可愛くてやっぱりずるいと思った。


「…まぁ、今日はこれで勘弁しとくか」



そろそろ帰るか、と声をかけたが返事がない。

まさか、と覗き込むと、小さく寝息を立てて眠る亜子の姿にやっぱり前言撤回!起きたらまた迫ってみようと決意したヨウなのであった。