チラッとヨウを見ると、やはり表情は曇ったまま。
どうやら事が思い通りにはこばないと気が済まない質らしい。
全く、困ったやつである。

一つため息を落とすと、それも気に食わなかったらしくますます頬が膨れた。


「今日はね、友達とご飯行くの。前から約束しちゃってたから、断れないし…ね?だから今日は行けないの。」


「…男は?」


「え?」


「男も来るの?って聞いてんの!!」


机をドンドン叩きながら膨れっ面で私に問う。
一瞬ひやっとしたけど、自然を装って少しずれた机を直す。


「来ないよ。女子会だから…。」


「…ほんとに?」


「ほんとほんと!ほんとだって!」


「…嘘だったら、亜子のこと俺の好きにするからね?」


にこっと笑顔に変わったヨウは、そのまま私の部屋から出て行った。

なんか厄介なことになりそうだな…と一人部屋の中で頭をおさえた。


ヨウに絶対止められてしまうと隠してしまったが、実際今日の飲み会は女子会ではなく、この前合コンしたメンバーでもう一度集まって開かれるものだった。
最初は気乗りしなかったが、今回は一度会っていることもあるので、セッティング上合コンではないという区切りらしい。加えて素晴らしい友人達の誘いの剣幕に巻かれて参加する次第となったのである。