「…俺、亜子のことすっげー好きっ!!」
「わっ!」
ヨウは何かが吹っ切れたかのような表情で、急に私を抱きすくめた。
「ずっとこうしたかったんだ。だから俺…今超感動……!」
「ちょ、ちょっと!」
感動してる最中大変申し訳ないが、首元に感じた温かさにぐっと体を押して距離を取ろうとした。
「あ、あんまりくっついたりとかしないで…」
「えー!?なんでっ!?!?」
信じられない!といった顔で、ぐっと私の肩を掴んで顔を近づけてくる。
「だ、だって付き合っても無いのにこんなの…」
「じゃあ付き合おう!!!」
何の問題でもない、といった風にすぐさま問題を自己解決してしまったヨウは、また満面の笑顔を浮かべて迫ってくる。
これは困った奴に捕まってしまった…と考えているうちに近づいてくる端整な顔。
「ちょ…」
ちょっとストップと言おうとした時だった。
最近流行りのメロディが流れ出し、はっと動きが止まる。
発信元は、私の携帯だ。
