「…いつかはくるんだろうなとは、思ってたんだけど」 龍貴はためらいがちにかばんの中から台本を出した 「ついにきちゃったんだ…」 「…へ?」 龍貴は台本を私に差し出した 「見ていいの?」 無言のまま頷いたのを確認すると、私は台本を開いた 「…なによ。普通のラブドラマじゃない」 内容はいたってシンプルで、高校生2人の青春と愛のドラマって感じ これのどこがダメなの? 「ちげーよ。いつもと違うだろ」 「は?だからどこが?」 「俺の… 俺の苦手な…」 「苦手な?」 「ラブ…シーンが…あんだよ」