「未来」
そよ風のような爽やかで凛と響く聞き慣れた声がして。
ふりかえれば、走ってきてくれたのだろう。肩で息をした先輩がいた。
さっき見た先輩とはまったく別人だ。
いつもの優しい先輩だ。
さっきのは見間違いだったの?
先輩は私の隣に目配せをした。
「君は…未来の友達?」
先輩の表情が曇り、灰色の空気が流れる。
一雨降りそうな予感がする。私がみているあったかな先輩とさっきみた先輩の両面が混合されたような表情だった。
このまま黙りこんではいけないのに気まずさから目をそらしてしまい、何も言葉が浮かんでこない。
だって、この男の子はさっき知り合ったばかりの知らないに等しい人なのに。
私のプライベートに土足で踏み入れられたんだから。
*

