まさか勉強に関する物以外を手にする日がくるなんて。 きて欲しくはなかったし 悪い夢を見ているように最悪な気分。 何度目かの深い溜め息を溢しながら部屋へと近付いていると、不意に部屋のドアとドアの間に立っている若い男が一人、目が合うと 「こんばんは」と、感じの良い笑みを見せて軽く頭を下げた。