長めの真っ黒な髪は緩いくせっ毛で、人懐っこそうな目つきと口元の笑み。

顔、身長、体型、声。
そういうのに興味のない私ですら、イケメンの部類(というか、イケメン。超絶なる美形。)なのだと判断できる。

ここは噂通り。



飄々として常にヘラヘラしてて、
掴み所がなくて自由人。

ここが噂の間違い。



私を見る彰の瞳は、何処か自信が無くて
こちらを探るようなそんな表情をしてた。
飄々ともヘラヘラともしていなかった。


いつでも噂の中心である彰。
そんな人にそんな表情をされたら、YESとしか言いようがなかった。
(何たって私は噂にもならない凡人女。)











いつからか、あの時のあの人はもういなかった。

もしかしたら、最初からいなかったのかもしれない。

それでも私は、この人を信じてた。




いつか、真っ直ぐ私だけを見てくれる、と。


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