気付いたら、悪魔の腕の中。




◎おまけ_屋上で、



 なんで俺、気づかなかったんだ…

 あいつがそばにいることが当たり前だった。俺は雫が好きで、あいつに八つ当たりして…

 あいつがいなくても俺はなんでもできる。ガキのときとは訳が違う。なのに…あいつが…環が離れてから俺は、何も手につかない。ガキの頃と変わんねえじゃん。



 俺の中にいたのはとっくに、雫じゃなくて…





 「結城、環に何したんだよ」



 気になって来てしまった屋上。そこにいたのは、結城と倒れている環。


 いちかとは、環とケンカしたあの日に別れた。だから、もう結城に好き勝手される理由はない。





 「…お前が自分の姉ちゃん好きって思い出して気絶したんだ」