気付いたら、悪魔の腕の中。



 「そ、そんな試すようなこと・・・」


 あたしはスカートをギュッと握りしめた。
 本当は、知りたい、ゆうちゃんの気持ちを。

 分かってる、あたしになんか興味を抱かないことくらい。
 だって、好きな人・・・ちゃんといるんだもんね?





 「別に悪者になるのは俺だ。お前は俺の言うこと聞いてれば問題ない」


 結城くん?
 なんか少しだけどほんとに少しだけ優しくなった気がした。



 「・・・でも、怖い」


 「そんときは、俺が責任とる」



 !!!
 

 そう言って結城くんはあたしを抱きしめたんだ・・・。

 結城くんの考えが読めない。




 「・・・付き合ってんだから、抱きしめるのは普通だろ?」



 メガネの奥で熱を帯びた瞳がこちらに向けられた。
 なんか、嫌な予感が・・・




 「環・・・」


 首筋にざらっとした感触・・・。
 すぐにわかった、結城くんの舌だって。