ドンッ……!!



「……あっ。
すいません! 大丈夫でしたか? 」


あたしは、ぶつかって尻餅をついた少女に、慌てて手を差し出す。


「いっ……いえ、メ…メガネ……?? 」

少女は、ぶつかった衝撃でメガネを落としてしまったようだ。
少女が、メガネ探している。しかし相当目が悪いのだろう。横に落ちたメガネにも気づかない。


「はい。メガネです。
ほんとにすいません」

あたしは、メガネを拾い、謝った。

「い、いえ。大丈夫です。メガネ、ありがとうございます!」


少女が、長い黒髪を風になびかせながら、にこっと笑う。
よく見ると、うちの学校の制服を着ている。
同じくらいの歳かな?
ってか、この子、声めっちゃかわいい! こういうのをアニメ声っていうのかな……。

あたしが、そんなことを考えていると少女が、

「では、失礼します」

と、言って歩いていった。