ヤバい!

どうしよう…

このまま捕まってしまえば
クリス様や色々な人に迷惑をかけちゃう…!!

どうしよう…!!?


焦れば焦るほど
自分の置かれた状況が絶望的に思えて
悲しくなって行く


「早くいくぞ!」

「見つかったら面倒だ。」

「とりあえず、この城壁を出よう。」


袋に入れられて
雪乃は軽々と男の肩に担がれた


…このまま売られて
殺されちゃうとか…?

象牙色の肌は珍しいから
皮をはがされたり…?


…嫌だ…


死ぬのは構わないけど

どうせなら
サラリと一発で殺してほしい


なんて考えが頭をよぎった瞬間

グァオオオッ!!
大きなライオンの叫び声がとどろいた


!!?
マリモ!!??


雪乃はハッとして
袋の中でもがく


「おい…。なにをしている?」

だが次に聞こえてきたのは
恐ろしく冷たい非情な声だった