そして
クリスは雪乃の前に着くと
困った様にため息をついた

「目立つ行動は控えろと言ったはずだが?」

圧倒的な威圧感を含む視線と声に
雪乃は肩をすくめた


「だって
なんか…ほっとけなくて…。」


「まったく…。

亭主よ。この物の代金は全て私が払おう。
その代わり、この少女の詮議は私が行ってもよいか?」


「は、はい!!」

亭主は
さっきまでの威勢はどこへやら

クリスの前にひれ伏していた


「ありがとう。
ゴルチェ!」

「はっ。」

「この少女を宮へ。着いたら詮議をかける。」

「御意。」


少女はゴルチェに連れられて行ってしまった

「さて…ユキノ…。
来い。」


クリスに逆ら得るはずもなく
雪乃は
クリスの馬に一緒に乗って宮へ帰った