「し、信じられない。

あなた様は一体…?!」


男は
唖然とその場に立ちつくしている

「乗馬をしていたもので…
勝手なことしてすみません。

あ、私雪乃って言います。
昨日からこちらにお世話になってます。」


よろしくお願いします。

と頭を下げた雪乃に対し

男は
恐縮したように跪いた

「ユキノ様。どうか頭をあげてください。

私はゴルチェとも申します。
クリス様の近衛兵副長官を勤めております。
どうぞ、以後、お見知りおきください。」

ゴルチェは
クリスやジャンとは違い
動きやすそうなキュロット姿で
腰には短剣をさし
背中には弓を背負っていた

刈り込まれた金色の短髪は
堀の深い顔を際立たせてる


「所で、ユキノ様はどちらにお向かいで?」


「どこっていうか
暇だから散策を…。」


なんだか恥ずかしくなって
語尾が小さくなった