そこへ
1人の男が歩み寄ってきた


「お食事中失礼いたします。クリス様、カイルより使者が見えてます。」



「あぁ、ジャン。紹介しよう。ユキノだ。

ユキノ、ジャンだ。私の側近長官で幼いときより使えてくれている。」



ジャンは
雪乃に向かって微笑み頭を下げた


クリスとは違い
腰であるブラウンのストレートヘアを後ろで束ね

足首まであるローブのような袖と裾の広がった衣装を着ていて

気品と教養深さが伺えた

「書記官も勤めております。ジャンともうします。

ユキノ様…どうか主人を煩わせることの無いよう…お願い申し上げます。」




微笑みとは裏腹に
鋭い視線が雪乃に刺さった

…あんまり良く思われてないんだな…

まぁそれは当然か…


雪乃も笑顔で頭を下げる

「なにぶんご迷惑をお掛け致しますが、どうぞよろしくお願い致します。」



だてに
お嬢様校に通ってた訳じゃない


挨拶くらいはできるのよ



ドヤ顔にならないように注意を払いながら雪乃はジャンを見た


ジャンは顔色一つ変えることなく下がっていった