「そうだと言ったら?」


「…人の命をなんだとッ!!」


「命だ?!

誰からも愛されず
必要とされず

男に騙され、裏切られて
自ら身を投げたお前に

命の大切さがわかというのか?!」


アマリエスの言葉は
杭となって雪乃の胸に突き刺さる


「…それとも何か?
クリス様に愛でも教わったか?

人を信じ
信頼され慕われる喜びでも知り得たか?

くだらん…

お前は所詮異世界の娘。
この世界にお前のいる場所などない!

クリス様も正妃を迎え
のちに立太子し皇帝となる。

そうなれば
そなたはもう用無しよ!!」



……

雪乃には返す言葉も無かった
アマリエスの言葉は事実


そう…私はここに居て良い
人間じゃない…

クリス様のずっと傍に
このまま変わらず…

なんて

出来るわけもない


彼は皇子

私は異世界人…


この世界では
存在すら不確か…


雪乃は
呆然と
その場に立ちつくした