「あ、あの!
私の入って大丈夫なんですか?」


貴族の地位も
ましてや魔力すら持っていない

しかも
異世界人の私が
神聖な場所に入って大丈夫なのかな?


雪乃の言葉に
スバルは目を細めて微笑んだ


「貴女様には
この世界のどんな結界も魔力も
効かないでしょう…。」


「え?」


スバルはそれ以上答えることなく
ただ雪乃を先に促した

そんな様子を
クリスは黙って見つめていた



「私たちが入って
一時間しても戻らぬ時は速やかにここを離れ
皇帝陛下に進言し指示を仰げ。

では、行くぞ。」


「お気をつけて…。」

最後まで心配そうなポールとゴルチェ
私兵たちを残して

クリスたちは
神殿に足を踏み入れた