真夜中を過ぎたころ

雪乃はふと目を覚ました


部屋を見渡すが人影はなく
窓からさす月の光が
淡く部屋を照らしている


…寝すぎたな…

軽く首を回しながら
ベットを出て

窓辺の長椅子に腰を下ろす


窓から見えるのは
カイルの街並み

所々松明の明かりが揺れ
街灯の役割を果たし

雪乃のいた世界とは違うものの
自然の夜景にどこか懐かしさを感じた


少し前にジャンが言っていた事を思い出す

『あと、数日もしたらハジェンズに
戻る事になりますね。』


季節も乾季から雨季に変わり
寒くなってくるという


日本とは違って四季はなく
二季で乾季は暑く
雨季は寒い

この世界の常識に
幾分慣れた雪乃はその話もすんなり受け入れた


「もうすぐカイルともお別れだ。
…ハジェンズに帰ったら…

私は…元の世界に帰る方法を見つけられるのかな?」


帰りたいのか…
帰りたくないのか…

…


……


でも…その前に
私を誘拐しようとした真犯人


…クリス様の…お義姉様の事が残っている

クリス様は傷ついていないのかな?
義姉が犯人なんて…