その拍手に
雪乃は顔を上げると

皇帝の満足げな顔と

皇后の歓喜に満ちた笑顔が見えた


よかった…

なんとか成功したんだ…


ほうっと肩で息をして

次に
皇族席に目を向ける


すると
クリスが今までに見た事もないような笑顔で
何度も頷きながら拍手をしていた


その姿に
雪乃も緊張が解け笑みを零した


「素晴らしい。
本当に見事でした…。」


皇后がゆっくりと雪乃に近づく


「ありがとう。
雪乃のおかげで
最高の誕生日になりましたよ。」

そっと
雪乃を立ち上がらせると
皇后は優しく抱きしめた


「お誕生日おめでとうございます。」


どこか懐かしいぬくもりの中で
雪乃はそっと
皇后の耳にささやいた