「まぁ、舞いを習っていたの?
素晴らしい。
ユキノは芸に精通しているのですね。」



「い、いえ…そこまでは。」


「謙遜しなくていいのよ。
ユキノさえよければ
私の誕生パーティで舞いを披露してもらえないですか?」


「ええぇ!?」


「母上、それは強引すぎませんか?」


「あら、クリスだって
ユキノの舞いを見たいと思いませんか?

でも、無理にとは言いません。
ただ、ユキノに誕生日に舞いを見せてもらえたら
と思っただけですから。」


悲しげに伏せられた
藍色の瞳…


その姿に
雪乃はなんだか申し訳なくなって

「…わかりました。
お引き受けいたします。」


気がついた時にはそう口にしていた

「まぁ!本当ですか?

ありがとうユキノ。
本当に感謝します。何か必要なものがあれば
言ってくださいね。」


「はい…。」


雪乃は
力なく返事をすると肩を落とした