雑林を抜けると
白大理石の大きな建物が現れる
前面のファザードは二階建ての豪華なもので
正面には四人の女の人が浮き彫りにされている
太陽の光を浴びて
キラキラと輝き
何とも言えない神々しさ放ちながら
静かに
2人を迎えていた
「大神殿…。」
以前にケシャと訪れた事のある
大神殿を目の前に
雪乃は
クリスを不思議そうに見つめた
なぜ?
ここに連れてきたのだろう?
そんな雪乃の疑問を知ってか知らずか
クリスは馬から降り
雪乃に手を伸ばして
ゆっくり地面に下ろす
「…ここはカイル一神聖な場所で
私の一番好きな
落ち着く場所だ。」
クリスが
ゆっくり雪乃の腰に手をまわして
歩き出す
雪乃は特に抵抗する事も出来ず
そのままクリスの手を受け入れた
そして
正面に掘られた
四人の美しい女神の元で歩みを止める
「…風・大地・太陽・水の女神ですね。」
「ああ。そうだな。
誰がどの女神かわかるか?」
クリスの問いかけに
雪乃はそれぞれの彫刻をじっと見つめる
良く見れば
それぞれに特徴が浮かんでいた


