「素晴らしい挨拶ですよ。」

皇后はそう言うと
ゆっくりと拍手をした


すると
次第に周りにも広がり

やがては
温かい拍手で大広間は包まれた



よかった…



雪乃は胸をなで下ろした




「皆さま!
歌劇団の準備が整いました。

どうぞお席へご移動を願います。」


侍女の声に
みんながバラバラと用意された席に移動する


雪乃は

どこに座ればいいかわからず
戸惑っていたが


一番隅にあいている席を見つけて
そこに腰を下ろした


皇后陛下は一番の上座

きっと
この座席にも身分によって順番があるはず

なんの身分もない私は
入口に近い一番の下座で良いよね??


雪乃が腰をおろして間もなくすると
空けられた広間の前方のスペースに
様々な衣装の男女が現れ
歌劇が始まった