「パルトさん。」


「なんですか?」


定期見周りきた護衛兵のパルトに
雪乃はブレイクの過去を尋ねてみる気だった

雪乃が知ってるブレイクの側近で
一番若く、口が軽そうなのはパルトしか見当たらない


「ブレイクの傷はもう平気なんですか?」

「え?
どうしてそれを?」


急な質問に明らかに動揺するパルト
その姿は雪乃に手ごたえを感じさせた


「この前一緒に食事をした際に
その…見えてしまって。

ブレイクは教えてくれないんですけど
気になって仕方ないんです。」


ほとんどが嘘
それでも
含みをもたせ
「ブレイクを心配してるから聞いてるの」
という思いを前面にアピールする


「…わかりました。
姫様は殿下の特別な方だから…お話しますよ。


雪乃は心の中でガッツポーズをする


「殿下はお生まれになってからずっと
周りの権力者に命を狙われてきました。」


それは…
あまりにも過酷なブレイクの過去だった