あの時
どうして俺に
この娘の声が聞こえたのかはわからない


ただ…


この娘を


死なせたくない…


そう
思ってしまったのは…事実…


「ちょっ!!
ブレイク!?」


雪乃は必死で身をよじるが
力強い腕に抑えられびくともしない


ブレイクは自分の下でもがく
雪乃を見つめる


この世界には無い象牙色の肌
漆黒の黒髪

華奢な身体にすらりと伸びた手足

潤んで見上げる黒曜石の瞳…


それほどの美人でもないのに…
何故こんなにも
この娘が気になって仕方がない…?


ブレイクは
そのまま雪乃の唇に顔を落とす

「な!?
や…めて!!」


雪乃が大きく身をよじった時だった

バシンッ!!

乾いた音とともに
雪乃に覆いかぶさっていたブレイクは
数メートル後ろへ飛んでいた