まだ幼さの見える顔は
少女のように愛らしく

肩まである金糸の髪は
淡い蝋燭の光に
キラキラと揺らめいている

そして
その少年の背中にも
翼が生えていた


翼があるってことは…
皇族の子…?

自分より身分が上だとわかった
雪乃は跪いて挨拶をする

「ご無礼をいたしました。
雪乃と申します。」


そんな雪乃の姿に
少年は慌てたように声を上げた

「あ、いや。
そんなにかしこまらないで。
頭をあげてよ。」


今まで見た皇族らしからぬ言動に
雪乃は戸惑いながらも

体勢を戻した

それを確認して
安心したように

少年は口を開く