宴には様々な人々が参加していた

どの人たちも
みんな豪華に着飾って

優雅に雑談したり 
踊子の演技に見入っている

クリスがほかの貴族と雑談している間

雪乃は
こっそりとクリスの傍を離れて
バルコニーにでた


ちょっとくらいならいいよね?

パーティ慣れしていない雪乃にとって
会場は息がつまり
ずっと外の空気が恋しかった


「はー…気持ちいい。」

誰もいないバルコニーで
大きく伸びをする雪乃

満天の星空が美しく
遠くまで続くカイルの街の明かりと繋がって見えた


「あの…。」


誰もいないと思っていた
バルコニーの隅から突然聞こえた声に
雪乃はびくっと肩を震わせた


「あ…怖がらないで?」

声の方には
雪乃と同じくらいの身長の
男の子が立っていた