彼は私を見て、
またしても固まった。
「本当はね、全然使ってないんだ。形見だと思っちゃうから…」
私はそう言って俯いた。
彼と目を合わせないように…。
「じゃあ……」
「生活費はね、……体を売って稼いでるんだ。」
「それって、いわゆる売春?」
「そう言うのかな?」
私はいたたまれなさを隠すように、
カラッと笑った。
彼は何とも言えない表情で、
再び空を見上げた。
「俺、お前が簡単に体を売るような奴には見えない。何か他に理由があるんじゃねぇの?」
彼は空を見上げたまま言った。
ど、どうして……
「何、言ってるの?現に、私はお金のために体売ってるんだよ?」
泣きそうになるのを我慢して言った。