あるラブホテルの一室―………
「次はいつ会ってくれんの?」
私と情事を済ませた男がベッドの中から言う。
本当は『次』なんてないけど、
私はそれを「さあね。」と冷たくあしらってベッドから降りた。
「はっ、もう帰んのかよ!」
男は私を見て声を荒げた。
私は無視して淡々と衣服を身に付けた。
「じゃあね。」
男を見もしないでそう言ってから、
ドア一直線に向かう。
「あっ、おい…」
男は私を呼び止めたが、
そんなのシカト。
あんたなんかにかまってるヒマなんかないっつの。
ケータイを開いて時計を見ると、
時刻は2時35分を指していた。
「げっ、2時半過ぎてんじゃん!」
あの男、長げーんだよ!
さっさと済ませろっての。
ま、ヤる前に10万もらったし、いっか。
いくらなんでも多すぎって思ったけど、こんな時間まで縛られたし、
おあいこってことにしとくか。