二宮は可愛い。

黒いサラサラの腰まである髪に黒目がちの瞳。

まつげは長く、唇は赤く小さい。

誰もが認める美少女だ。

そして、入学式の日の一件。

おばあさんを迷い無く助けた二宮。

おまけに、みんなが嫌がる仕事をすすんで引き受ける。

顔がいい、性格がいい、西山学園は進学校でもあるから頭もいいはずだ。

（三拍子そろった人間って存在するんだ。）

そんな事に感心してしまう。

そんな彼女の事が気になってしまうのは、オレだけでは無いはずだ。

男なら「彼女にしたい。」と考えるだろう。

つまり、オレにとっては「高嶺の花」だ。

「高嶺の花」に本気になっても辛いだけだ。

（かかわらないでいよう）

そう心に決めた。