そんなことを考えていると、
ふと
車の中から手を振っているお母さんを見つけた。


―真っ赤のミニスカ…
お母さんしかいないわ…。


「栞那、久しぶりね♪元気にしてた?」

近寄ったとたん、
猛烈なハグ。

―うちはアメリカかよ!


「うん元気にしてたよ」


「そう?よかった♪お母さん心配だったの!栞那、ひとりで大丈夫かなぁって♪」

―お母さん、心配するくらいなら、先にいかないでよぉ……。


「お母さん?」

「んー?」

「お父さんとは仲良くやってる?」

「もっちろん♪お父さんね、すごく優しいし、
知らない間に料理できるようになったし♪」


―そりゃあ、
嫁がいなくなったら
お父さん自分で自炊するしかないでしょ…。
うちのお母さん、
ほんと、天然……。


「じゃあ、そろそろ行こうか?栞那」


「あ、うん!」



あたしたちは
お父さんとお兄ちゃんがすむ家へ向かった。