光の魔法を君に




今までは1つだったものが2つに別れる。
しっくりとくる感覚。



「・・・双剣?」


あたしの手に収まる2つの剣。

右手に金に輝く剣が。
左手に銀に煌めく剣が。



「・・・これが、ジェルノアの本来の姿だよ。」


にっこりと笑って、空に言う。



__大丈夫。



ただ信じるのはそのヒトコト。












歯ぎしりする音が聞こえる。


「・・・その希望、消し去ってくれるわ!!!」


闇を纏ったヤツが憎らしげにあたしを睨む。








そんな奴を見てクスリ、と笑う。


「・・・・ねぇ、あたし空のコト、好きだよ。」

「・・・え・・・?」



いきなりそんなことを言うあたしに驚きを隠せてない。
当たり前、かな。


「だから、帰ってきたら。ギュってしてね。」


満面の笑みを空に残して、走り出す。




「・・・夢羽っ!!!!」


後ろから空のあたしを呼ぶ声が聞こえる。
けど、もう振り返らないよ。



守るためには、振り返っちゃ駄目だから。