もう一度仕掛けようと立ち上がり、ジェルノアを構えた時、
「夢羽!!」
空の声が聞こえて反射的に振り返ってしまった。
「空!!!」
そして空は一瞬険しく顔を歪めて走り出した。その表情は焦りそのもの。
「夢羽!!!」
あたしの名を呼び抱き締める。
そして空の背中ごしに見える降り下ろされる剣・・・・
そこにはあたしを庇う空の背中がある。
「いや―――――!!!」
___何か、が止まった気がした。
「・・・え・・・?」
身を斬る音が聞こえてこない。
それよりも、ほかの音すら聞こえない。
「・・そら・・・?」
空の名を呼んでも、応えない。
そっと、空から離れても動かない。
「・・・とま・・ってる・・・?」
そう、思うしかなかった。
奴が振り下ろしてる剣が空から数十センチくらい離れていて、動かない。
“___夢羽”
困惑している中で聞こえた懐かしくも優しい声。
「誰・・・・」
知ってる、けど知らない。
聞いたことがある、のに覚えがない。
声の出所さえ分からない。


