「そんなことは兄に聞けば・・・あぁ、兄は記憶がないのだったな。」
え?何?
なんで?なんで?記憶がないの?それよりも・・・
人・・・だったの?
困惑する頭で必死に整理をしようとする。
「・・・よそ見をしてていいのですか?」
「!!」
目の前にもう迫っていた。
漆黒の剣を振り上げて。
「っつ・・・!」
かろうじてよけた・・・けど
頬に血が伝う。
「ほぉ。俊敏ですな。」
にたりと笑う。
「・・・気味が悪い。」
「・・・気味が悪い?それを言うなら貴方の方が気味が悪いですよ。人でもない。けれど魔属というのには恐れ多い。
バケモノ、な貴方のほうが気味が悪いですよ?」
剣を握る手に力が入る。


