「夢羽!!!」
空が焦ってこちらに来る。
「空、敵が来た。・・・魔属の。」
「・・・・」
空が息をのむ。
そう、その通りだよ。
「・・・鈴がこちらに来る。」
「そうか。」
このことは2人だけの秘密。
蘭にも海にも言えない。
「とにかく、あたしたちを狙ってる。カタをつけよう。」
あたしの周りにいる使い魔がすり寄ってくる。
もう、後戻りはできない。
「わかった。戦うよ。セタ、出てきてくれ。」
風吹いて・・・空の横に鹿が立っていた。
「・・・し、か?」
「そうだよ、セタ。」
あたしに深くお辞儀をし、前足を折る。
“忠誠の誓い”
そんなセタの思いがひしひしと伝わってきた。


