#過去#
*悠司*
久しぶりに会った南智は
相変わらず可愛くて愛しくて…。
本当は素直に自分の気持ちを伝えたい。
――でも、それはできないんだ。
南智には幸せになってもらいたいから。
南智は知らない。
俺の本当の過去を…―――。
「悠司…どうしてあんなこと言っちゃったの??」
南智が顔を覗き込んでくる。
その顔があまりにも愛しくて
ギュッっとしたくなった。
けれどその思いは胸にしまって答えた。
「だって南智が先生にとられちゃう」
恥ずかしくて死にそうだ…。
南智は驚いた表情をして俯いた。
「…ごめん」
ごめん。困らせて。
ごめん。帰ってきて。
―――ごめん。
――――――スキになって。

