幸せの音が響く

―翌日―




『おはよう高村』

「あ、お、おはようッ」

『なに?なんかよそよそしてる』

「そんなことないよ!!」

『本当に〜ぃ?』


言いながら窓を背にして立っていた私の前に立ち、両手を窓のサッシに置き、私を閉じ込めた。

しかも距離が近い!!

まともに顔上げらんないよー!!


『本当に何もない?』


・・・――


「うん」

『ん〜・・高村が何もないって言うならいいけどさ。じゃぁ、ハイ』


鷹野君が両手を広げニコッと笑った。


「え!?」

『え!?じゃないよ。約束したじゃん。毎日朝来たらギュゥってするって』

「や、あの・・」

『ほら早く。俺の胸にどうぞ!!』


どうぞ!!と言われても・・・。

恥ずかしながらもおずおずと鷹野君に近付き、手を背中に回すと鷹野君もギュッと私を抱きしめた。


『高村・・好きだよ』


優しく、凄く愛しそうに私の耳元でそうささやくから・・・―


涙が――

涙が溢れてくる。


この言葉、信じてもいいんだよね?鷹野君の気持ちに嘘はないよね?


でも、何で私なの?




どうして?