ひとり になりたい。

誰にも惑わされたくない。



だから、引っ越しして

独り暮らしをすることにした。



お父様も私には興味がないから、すんなり許可してくれた。


………それが少し寂しかった…とは、誰にも言えない。





「……はぁ…」




素直じゃない。


わかってる。



可愛くない。


十分自覚してる。





自室の姿見の前に立ち、じっと自分を見てみる。


黒く背中まである長い髪は、昔お父様が褒めてくれた髪。

白く澄んだ肌は、お母様が病気になる前に撫でてくれた頬。


黒目がちで睫毛に覆われた瞳は、小学生のときに…親友が見つめてくれた目。



私のことを、人は美人だとか、可愛いとか っていうけど

私は自分のことが嫌い。



可愛くなんかない。




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