エレベーターに乗り、向かうのは5階。

17階建てのアパートなので、そんなに上ではない。


上り下りが面倒だから空いている部屋の中から一番下を選んだだけの話だ。




(……独り暮らしか…)



独りで生きていける教養と技術くらいはある。


だが…



もしこうなったら

ああなったら


私は誰を頼ればいいんだ…





俯いて、唇を噛みしめる。

本当は心細いのだと、認めたら終わりだ。


すぐにでも崩れ落ちてしまう…





と、考え込んでいると

エレベーターが2階で止まった。




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