しばらくして…


 ベッドの中でレニオに寄り添ったまま、ナンシーは話しかける。


「ゴメンね、私のような女の相手になってくれて」


「どうして、俺なんかと付き合うようになったんだ?」


「まあ、色々有ってね」


「それじゃあ説明になっていない。どうして俺なのか、教えろよ」


「私の事、嫌い?」


「嫌いなのは、アンタの方だろう? 学校時代は、俺を軽蔑していたじゃねーか?」


「そうだったよね」


「そのアンタが、今頃になって俺を好きになるなんて」


「変?」


「まあね。アンタは、あのグロスと結婚した。だが、そのグロスが死んで…アンタは未亡人になってしまった。1人ぼっちになって寂しい思いをしていたアンタは、寂しさから新しい出会いを求めた。
 それは分かる」


「私の事、よく知っているんだ?」