「なるほど。それでお前が紹介役をするハメになったってワケだな?」


「その通り。どうだい? ナンシーと付き合ってみる気、無いか?」


 イイ話しである。


 だけど…


 レニオは乗る気がしない。


「悪くは無いけどよ。ナンシーとは、交際出来ねーだろう?」


「何で出来ないんだ?」


「彼女には、グロス・キングって恋人がいたハズだぜ」


「あの暴れん坊のグロスだろう? 知っているよ。でも今は、関係ないハズだ」


「学校を卒業して3年目に、ナンシーとグロスと結婚したって聞いたぜ。お前、知らないのか?」


「結婚したって事は聞いてる。
 でもグロスは、街のチンピラ連中に殺されたって言う話しだよ。あれ以来、ナンシーは未亡人状態で過ごしているんだって。なかなか新しい出会いが無くて、本人は寂しがっているしね」