【短編】ヘタレ君のわがままなカノジョ。





翌日の、まだ薄暗い、朝もやがかった早朝。




俺はいつもより早起きしてお弁当を作りました。



君が、美味しいと満面の笑顔を見せてくれることを想像しながら。




たくさん入れた厚焼き玉子。



カリカリに揚げた唐揚げ。



甘くてクリーミー、クリームコロッケのコーン入り。




玉ねぎ抜きのポテトサラダ。



あとは、タコさんウィンナーにミートボール、ミニトマト。




完璧です。




うんうんと頷き、巾着にお弁当を包みます。




時間も頃合い。




出かけるとしましょうか。




君のお弁当が入った鞄を慎重に持ち、俺は出かけました。




学校に着いたのは、いつもと一緒の時間帯。



君はすでに来ていて友達と楽しそうにおしゃべりしていました。




…おっと、目があった。



君と目が合い、にこりと微笑みかけます。




しかし君は一気に顔を赤面させ、うつむいてしまいました。




友達が、どうしたのヒカリ?と首をかしげていました。



その光景が、なんだかとても可笑しかったです。