【短編】ヘタレ君のわがままなカノジョ。





そんな共同作業がしばらく続き、気づけば君もなんだか楽しそうで



機嫌も、直ってくれたようです。




「ハル、これで全部?」




「うん、そうだね。」




かごの中を確認して、頷きました。



全部あるし、君のチョココロネもあります。



完璧です。




レジに並び、お金を払いました。


君が、半分出す!と言い出しましたが、そこはなんとか諦めてもらいました。




まったく、意外と義理堅いですね。



そのあとは、二人で帰路につきました。



西日に照らされた二人の影が、長く伸びています。



二人の間には、買い物袋があります。



二人で一つの袋を持つことになったんです。




家はヒカリちゃんの方が近く

ヒカリちゃんを送ったあとは、バスで家に帰ります。




「ヒカリちゃん、美味しい?」



「うん、美味しい。」



幸せそうにチョココロネを頬張りながら君は答えました。



俺も、なんだか今日はいつも以上に幸せすぎました。


これ以上いいことなんて、ないでしょうね。