先月の、体育のときでした。
男子はバスケだったので、授業前にみんなでバスケをして遊んでたんです。
隣でマット運動をする女子は、マットを準備し終え俺たちがバスケするのを見ていました。
誰かがシュートを決めるたび、歓声があがります。
そんな中、目立とうとした俺の友達がシュートを外し、あろうことか女子のいる方にボールが飛んでってしまったのです。
ボールは不運にも、誰かの頭を直撃。
一番近かった俺が慌てて駆け寄り、声をかけました。
「だっ大丈夫!?」
彼女の友達も、心配そうにしていました。
「…だ、大丈夫です。」
若干涙声でしたが、返ってきた返事にホッとしました。
「マジごめん、大丈夫?」
シュートした俺の友達も、顔の前で手を合わせて謝っています。
「保健室行く?」
俺が尋ねると、彼女は首を振りました。
「大丈夫。ありがと」
そう言って、彼女は微笑みました。
今思えば、それが皆川さんでした。

